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お盆の行事は、明治になって新暦が採用されるようになると、新暦で7月13日からおこなわれる地域と、旧暦のまま8月13日からの地域に分かれました。またお地蔵さんの日である24日からの「地蔵盆」や、養蚕の繁茂期(8月中旬)を避けて7月31日からの「晦日(みそか)盆」があります。
わが町三島では、市街地は新盆で、郊外の農村地区(現在はおおかた農業で生計を立てていないが)では、旧盆でおこなわれています。お盆を何時の時期におこなうかは、その地域の農繁期を避けておこなわれてきたようです。三島地区は温暖であるので、田植えは6月に入ってからおこなわれ、田の草取りが一段落してお盆を迎えます。農繁期後の骨休みがお盆でした。
以前はお盆の棚経に廻ると、午前中から親族や来客に料理が振る舞われ、酒盛りが始まっています。そこに行った私どもは、「おっさんも、一緒にとビールを勧められる」「まだ、廻るところがあるから」「良い、良い、明日すれば」と、酒盛りに加わってしまいました。歩きか自転車と、飲酒運転の心配はない。現在のように、何日、何時頃という約束はないので、明日伺えばよいのである。
農家の中には、お盆までに「田の草取り」「畦の草刈り」が少し残ってしまった人もいるが、間違ってもお盆の最中に田畑に行くことはできない。みっともないからである。この時代にクーラーが有るわけでもないが、農家には20帖ほどの客間があり、開け放された縁側から風が入ってくる。日中は蚊も入ってこない。冷やされたビールはお盆の甘露であった。
ところで今現在もお寺で一番忙しいのは、お盆である。無事7月のお盆も終わり、8月のお盆までひと休みである。無論、やらなければならないことは山積しているが、草取りなど外の仕事は、猛暑日にかこつけてなしとして、そこで趣味の「鮎の一夜干し」となるわけである。いわゆる「鮎の開き」である。趣味であるので、自分の好きなように作れば良いのである。
まず鮎の購入である。鮎釣りをするわけでもないし、天然物など問題外であって、多少品揃えのある店、以前に鮎が置いてあった魚屋に、買いに行くことから始める。何処の魚屋でもいつでも鮎があるわけではない。予想していたとおり、鮎がない。少し嬉しく思うのである。今日ないことは、明日行ったときに鮎があることは、今日入荷したことになる。最初いった日にあると、その鮎は本日の入荷か昨日の入荷か判らない。1日や2日は消費期限があるので、昨日入荷の鮎が店頭にあることは決して問題があるわけではない。
でも趣味の仕事であるから、自分が納得する方法で「鮎の一夜干し」を作ればよいのである。岐阜県養老川漁業協同組合産10匹入りの鮎があった。すでに2匹は売れていた。4匹の購入を伝えると、目の前で大きさ形の揃ったものを選んでくれる。「これでどうですか」という。そして「どう捌きますか」と聞いてくる。「そのままで」という。文句ない対応である。店員さんは鮎の塩焼きと思ったのであろう、普段はあまり用途は言わないが、「鮎の一夜干し」にしますといった。店員さんがニコッとしてくれた。店員さんの対応が良いと、楽しみの「鮎の一夜干し」は、すでに半分達成されたようなものである。名札を見て、感じの良い店員さんの名前を覚えてくるのを忘れたのが、残念である。
早速、ぬめりを落として、開いていく。背開きである。腹開きでは、腹のところがだらしなくなってしまうからである。老人が食するので、背骨も取り除く。綺麗に掃除してペーパータオルで水分を綺麗に拭く。そして3%の塩水に30分から60分漬ける。開きの塩分は好みてあるが、塩分濃度を変えるより、漬けておく時間で調節がしやすい。
この猛暑のなか、外で干すなどということはできない。扇風機が最強のアイテムである。2時間ほどで完成である。
今宵の晩酌は、1枚350円ほどの自家製鮎の一夜干し、楽しみであり一合余計に飲み過ぎるかもしれない。
【お盆】
陰暦七月一五日を中心に行なわれる仏事。祖先の霊を自宅にむかえて供物をそなえ、経をあげる。現在では、一三日夜に迎え火をたいて霊を迎えいれ、一六日夜に送り火で霊を送る。もともと「盂蘭盆経」の記事にもとづくもので、わが国で公に行なわれたのは、推古天皇一四年(六〇六)といわれ、聖武天皇天平五年(七三三)からは宮中恒例の仏事となった。一方、民間の盆行事の中には仏教要素以外のものも多く、正月に対応する祖霊祭の要素が強い。盂蘭盆祭(うらぼんさい)。盂蘭盆会(うらぼんえ)。魂祭(たままつり)。精霊会(しょうりょうえ)。歓喜会(かんぎえ)。盂蘭盆供(うらぼんぐ)。盂蘭盆供会(うらぼんぐえ)。うらんぼん。おぼん。ぼん。《季・秋》
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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