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皆さんは、水茄子をご存じであろうか?
AIによると、「水ナスは、大阪府泉州地域の特産品として知られる、水分を豊富に含んだナスの一種です。一般的なナスに比べて丸みを帯びた卵形で、皮が薄く、アクが少ないのが特徴です。」という。
その名のとおり、水分が多く、皮が薄くて果肉が柔らかく、またアクが少なく甘みがあり、サラダなど生食ができるナスである。
そこで願成寺農園でも、数年前から栽培を始めた。本家本元の「泉州水ナス」の種や苗は、そう簡単には手に入れることができない。いわゆる「水ナス」として販売されている苗を植えた。
ナスはたいそう水を好む野菜で、本場では畝の間に水を入れ、長靴で手入れするほどである。菜園の前には農業用水がとうとうと流れているが、利用することはできない。菜園を始めた頃、用水を使っていると、農家の人に水利権を持たない人は利用できないと注意された。よって軽トラックに400リットルのタンクを積み、350リットルの水道水を運んでの散水となる(軽トラの最大積載量は350sだからである)。
俗にいう「水利権」というものは、江戸時代から今日に至るまでなかなか厳しいものである。農業用水があることによって稲作ができるか、できないかの問題であって、農家にとっては死活問題であり、昔から争いの種であったことはご承知であろう。
水利権問題で有名なのが、この近辺では芦ノ湖である。現在芦ノ湖は神奈川県に所属しているが、水利権は静岡県側が所有しており、基本的には神奈川県は利用できないのである。
芦ノ湖の水利権は、湖がある神奈川県ではなく、隣接する静
岡県が主に所有しています。この複雑な経緯には、江戸時代に
遡る「箱根用水(深良用水)」の歴史と、その後の明治時代の裁
判が関わっています。(AIによる)
水ナスは、そんなこと知ってた知らずか、また私の苦労も知らず、大量の水さえ与えば機嫌が良い。ここ何年か真夏に雨が極端に少ないだけに、水の運搬が多かったようにも思う。お陰さまで、そこそこの水ナスができた。
早速の試食である。輪切りにした水ナスを塩水に漬けてアク抜きである。そのまま、からし醤油やワサビ醤油で食しても良いが、サラダとした。あと一品は、上にクリームチーズを載せ、塩、黒胡椒、オリーブオイルで、即席カルパッチョ風と洒落てみた。自己満足である。
やはりナスというと糠(ぬか)漬けであるが、作るには少しハードルが上がる。糠漬けの問題は、ナスの大小、漬け時間、そして何よりも難しいのが糠の塩分濃度である。大小は小さい順、漬け時間は短い順とした。糠に塩分濃度計を入れて測定したが、濃度計は液体の状態でないとうまく計れないことが判った。そこで100tの水に糠床50gを溶いての測定とした。
およそ塩分濃度15%が適当と思われ、これを「糠床願成寺濃度」とすることにした。減塩を思い、塩分濃度10%にしようかとも考えたが、常温で管理している糠床にカビの発生の懸念からまだ実行していない。
水ナスだからこその「半なまの糠漬けナス」、最高である。皆におすそ分けできないのが残念である。
【芦ノ湖の水利権の主なポイント】
江戸時代の深良用水
深良用水の開削:江戸時代初期の寛文10年(1670年)に、灌漑用
水を確保するため、現在の静岡県裾野市深良村の住民と江戸の
商人らが、箱根の山を貫くトンネルを掘って芦ノ湖の水を静岡
県側に流しました。
水利権の確立
この用水路の開削によって、芦ノ湖の水を利用する権利が静岡
県側に確立されました。
廃藩置県の影響
明治時代に廃藩置県が行われ、深良用水の取水口が静岡県、芦
ノ湖の大部分が神奈川県に分属されることになりました。
水利権争い
これをきっかけに両県間で水利権をめぐる裁判が発生しまし
た。
静岡県の勝訴
裁判の結果、江戸時代からの既得権益が認められ、深良水門を
管理する静岡県側に軍配が上がりました。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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