願成寺ホームページは、 こちら(https://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、5月1日です。







円山公園しだれ桜


知恩院

 今年は、桜の開花が例年よりも遅く、4月の中旬になっても花を愛でることができています。先日法然上人の浄土宗開宗850年慶讃法要のため、京都の総本山知恩院様へ参拝させていただきました。すると、隣の円山公園の桜がこの世のものとは思えないほど幻想的で、平安時代の方々の歌を詠みたくなる気持ちが、何となくわかり得るような風景でありました。

 平安時代末に京都で大流行したはやり歌に「今様(いまよう)」がありました。この今様の魅力に取りつかれた後白河法皇が編纂した『梁塵秘抄』に、
 
  「はかなきこの世を過ぐすとて 海山稼ぐとせしほどに
   万(よろず)の仏に疎まれて 後生わが身をいかにせん」
   (法文歌・雑法文歌・二四〇)
 
というお歌があります。はかないこの世を生きていこうとして、海や山で生き物をとらえて暮らすうちに、多くの仏に見放されてしまった。来世の自分の身をどうしたらよいのだろうか………という生きるために殺生をせざるを得ない人々の、切実なこの世や後の世に対するおののきを歌った一首であります。 

 そのような時代の中で、誰もがお浄土へと「往く」ことができる手立てをお伝えされたのが、法然上人でありました。法然上人は比叡山で一番修行が進んでいる方「智慧第一の法然房」を讃えられていましたが、法然上人ご自身は、修行をすればするほどに、たった一つの戒を守ることができない、心が静まらない、智慧を得ることができないわが身であると判断されました。
 私たちが心を少し見つめることとは違います。真剣に戒を守ろうとすればするほど、守れないという自覚を深められたのであります。法然上人は修行が振り出しに戻ってしまったと絶望を感じておられました。
 その中で浄土教に救いを求め恵心僧都源信の『往生要集』を拝読されます。その中に誰もが必ず往生できるという「十即十生・百即百生」の御文をご覧になられました。そして、これが中国唐代の善導大師『往生礼讃』の一節であることがわかると、なぜ100%の往生がかなうのかという疑問の回答を見出すために、善導大師の『観経疏』を貪るように読み進められたのであります。
 するとそこに「順彼仏願故」と示されていました。その意味は「南無阿弥陀仏と申せば、どんなものでもお浄土へ往生できるというは、阿弥陀仏の願いであるから。」と示されていたのです。この「彼の仏の願に順ずるが故に」という一節に出会い、法然上人は「阿弥陀さまのお約束であるから、必ず100%往生がかなうのだ。」という「十即十生・百即百生」の回答を見出したのでありました。
 法然上人は本当にお慶びになられ、涙が止まることがなかったと伝わっています。そして専修念仏を実践する中で確信をもたれ、850年前に浄土宗を開宗されたのであります。
 この「誰もがお念仏申せば往生できるのですよ。阿弥陀さまは人を選ばす、見捨てない仏さまですよ」という法然上人のお言葉が、仏さまに見放されてしまったと感じていた人々の心に澄み渡ったのでありました。

 桜散り 梅はこぼれて 椿落つ 牡丹はくずれて さて人は?

花には様々な終焉の言葉がありますが、人は「往く(逝く)」と言います。桜の花びら舞う中で仏さまに手を合わせ、健やかな毎日を願いたいものであります。

 海福寺  瀧 沢 行 彦 









新型コロナウィルス感染防止のために

 年忌法要は、感染防止策をとりながら、親族中心におこなっております。

 なお、お墓参り、付け届けは、密となりませんので、お出かけ下さい。

 

辻 説 法 の 会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
4月19日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
真楽寺 副住職 勧山 法紹 師
参 加 費
500円 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
5月17日(金) 同時刻  正見寺 副住職 杉本 昌隆 師

 

宗祇法師の会 (4月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
4月22日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

大施餓鬼会のお知らせ

 お施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、み仏の教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、お札を郵送申しあげます)。

日   時
5月30日(木)  【PM2:00】 法要
法   話
住職
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







本メールマガジンがご不要な方は、
下記URLから配信を解除できます。


https://ganjoji.com/mlmaga.html(解除・退会)