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次回配信日は、2月1日です。





一筆龍の掛け軸


拾遺古徳伝

 

 今年は辰年であります。その龍にご縁のある掛け軸が、私の自坊・海福寺にございます。それは、昔の龍の字を一筆で書き示した「一筆龍」という掛け軸であります。
 これは、海福寺第二十三世賢應上人(明治29年3月25日生〜昭和36年12月1日没)が、静岡県御前崎市にある桜ヶ池の留守番をしていた際に、静岡県菊川市にある遠州桜ヶ池奥之院・應声教院さまの当時のご住職さま(桜ヶ池道人)より頂戴したと言い伝えられています。この「一筆龍」の背景には、法然上人のお念仏のみ教えが秘められています。

 法然上人の比叡山御修行時代の師僧で、大蛇(龍)に生まれ変わることを懇願した皇円阿闍梨(こうえんあじゃり)という高僧がいらっしゃいました。なぜ、龍に生まれ変わろうと願われたかといいますと、皇円さまは法橋(ほっきょう)という僧侶の位でも高い立場の方でありました。ところがそのお心内は「自分の器量ではこの生を終えた後、速やかに迷いの世界から離れることはできない。また命終えれば、生き死にを繰り返して、前世のことも、仏さまのみ教えも忘れてしまうだろう。」とこの一生で生死輪廻の解決ができないことを嘆いておられました。
 そこで願われたのが「そうだ。現世はお釈迦さまや未来にお出ましになられる弥勒菩薩さまが不在の中間の時代。導いてくださる仏さまがいらっしゃらないから、輪廻を繰り返すのであろう。そうであるならば、五十六億七千万年後にこの世にお出ましになられる弥勒菩薩にお会いし、そこでご指導いただきたい。その弥勒菩薩さまの時代に生まれ合わせる為には、長い命の大蛇(龍)に及ぶものはない。大蛇(龍)に生まれ変わりたい。」と長寿の生き物に生まれ変わり、弥勒菩薩さまにお会いすることを願いました。さらに「大海には、金翅鳥(こんじちょう)という鳥がいて、食べられてしまう恐れがあるから、その心配のない池に生まれたい。」と思って遠江国笠原庄(現在の静岡県御前崎市佐倉)の桜ヶ池という池を選びました。
 そして命終の際、その土地の方に桜ヶ池の水をもらい受けて、手のひらに水を入れて世を去られました。すると不思議な現象が起きました。皇円さま命終の日、桜ヶ池は雨も降らず風も吹かないのに、水かさが増し多くの人を驚かせたと言います。その後も静かな夜には、池で鈴を鳴らす音が聞こえると語り継がれています。

 その皇円さまの命終を聞いた法然上人は、皇円さまが大蛇にお生まれになり、弥勒菩薩さまにお会いするという道を選ばれたのを嘆かれたと言います。「智慧がある方が、自らの力で輪廻を離れていくことが困難なことに気づかれたのに、阿弥陀さまのお念仏のみ教えを知り得なかった。私源空(法然)が、皇円さまに信じていただけたかは別としても、南無阿弥陀仏とおとなえすれば、生死輪廻を速やかに離れ、極楽浄土へ往生することができたのに。往生後はあらゆる仏さまの世界を思うままに巡り、すべての仏さまを供養できるのですよと、お伝えしたかった。あの高僧の皇円阿闍梨さまが虚しく池にお住みになられるのは、お気の毒なことである。」と、法然上人は、「龍にならずとも」生死輪廻の世界から速やかに離れていくことができる阿弥陀さまの大慈悲のみ教えを皇円さまにお伝えしたかったとお言葉を残されています。

    ひたすらに 御名をとなゑて すがるより
    ほかにたよりの なき身なりけり

 令和時代の私たちも、生死輪廻の解決は阿弥陀如来さまにお任せしたいものであります。

 海福寺  瀧 沢 行 彦 









新型コロナウィルス感染防止のために

 年忌法要は、感染防止策をとりながら、親族中心におこなっております。

 なお、お墓参り、付け届けは、密となりませんので、お出かけ下さい。

 

辻 説 法 の 会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月19日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
大泉寺住職 小島 健布 師
参 加 費
500円 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月16日(金) 同時刻  三明寺住職 大嶽 正泰 師

 

宗祇法師の会 (1月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
1月22日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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