願成寺ホームページは、 こちら(https://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、12月1日です。





 


 


 

 皆さんは、墓地やお仏壇などで良いお香を用いているでしょうか。私たちは当然のようにお香を仏事で用いますが、その由来はどのようなものなのでしょうか?

 まず、香木(沈香、白檀)などが香として用いられたのは、仏教伝来に始まるといわれます。海外よりもたらされた貴重な香木は、お寺の荘厳を整える大変な宝物でありました。沈香の中でも「伽羅」は最上級で、現在も別格に扱われています。
 日本の伝統的な文化のひとつ「香道」は、平安時代より継承されていています。「香道」では、香りを「かぐ」とは言わずに、香りを「きく」と表現します。その由来には諸説ありますが、「利き酒」同様、香りを「利き分ける」という意味があったり、香りから立ち上る煙に想いを託し、天に「聞き届けてもらう」という意味があるとも言われています。

 私たちは、仏前や墓前に花と共にお線香を捧げるのが習慣となっていますが、初期の仏教に遡ると、お釈迦さま(ブッダ)は香りがするものから離れることを示唆しています。それはどういうことかと言うと、仏教の戒が関係しています。出家者が持つ戒について示される『梵網経』に、出家者が日常生活の上で不要なものとして、「装飾のもととなる花飾りや香料、塗香」などを上げています。これは、出家者が所持するものは「三衣一鉢」(3つの衣と、食事に用いる容器1つ)以外は不要という考えがもとであって、執着を生み出すものを所有しないことが、苦しみから離れていく道であると説くのであります。
 あるいは、『法句経』の注釈書『出曜経』には、「天上の諸香は結本を増熾し、塵労を長益すれども、賢聖の戒香は諸の結使を断じ・・・」とあり、世間一般の香りは、迷いを起こさせるけど、仏法の戒の香りは生死輪廻を打ち止めし、煩悩を断つ効力があると示されています。
 つまり、お釈迦さまは王子時代、身を清める沐浴の際に常に香を用いていましたが、出家後は、心身が清浄になる「戒こそが香である」から「香そのものは不要」という立場をとったのであります。さて、そうなると仏教において香は不要となってしまいますが、なぜ今のように仏教において香は必需品となったのでしょうか?
 一つには、出家者に対し一般在家の方が、お布施として香を供養したことから、寺院で「香炉、香水」として用いられるようになったと言われています。結局『無量寿経』に、阿弥陀さまが構えられた極楽浄土は、すぐれた薫香が遍満していると説かれていることからも、浄土を表している本堂で良いお香を焚くことは当然必要不可欠となるのです。

 また、曹洞宗の祖師・道元禅師『正法眼蔵』に「香油を身に塗するに 内外倶浄なるべし」とあり、心身の汚れを取り除くうえで、塗香がその第一と示されているように、香自体に心身を清める効力があると言います。
 浄土宗の法然上人は「高価な香料を集めて持つことは、罪でしょうか?」という質問に対して、「香料を集め持っているのは罪になります」とお答えしました。(『一百四十五箇条問答』五一)この言葉の真意は「ただ自分の財をたもつ目的の為に香を用いることはいけません。ただ所有することは執着煩悩の苦しみの種でしかありませんよ」ということでありましょう。「香を用いる目的は、仏さまのみ教えに多くの人が心を向けていくためですよ。本当の意味で苦しみから逃れていくということは、お念仏を申して輪廻を離れて極楽浄土へ往生することなのですよ」と法然上人はお諭しくださっているのではないでしょうか。

      香聞くは 仏法聞きし 縁となる

 香の香りが身につくがごとく、戒やお念仏が身につくように、良いお香を供養したいものであります。

【参考文献】
 「鳩居堂の日本のしきたり 豆知識」 監修 鳩居堂
 「修行僧の持ち物の歴史」 著 西村 実則

 海福寺  瀧 沢 行 彦 









新型コロナウィルス感染防止のために

 年忌法要は、感染防止策をとりながら、親族中心におこなっております。

 なお、お墓参り、付け届けは、密となりませんので、お出かけ下さい。

 

辻 説 法 の 会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
11月17日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
光厳寺住職 五味 寛融 師
参 加 費
500円 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
12月15日(金) 同時刻  大泉寺住職 小島 健布 師

 

宗祇法師の会 (11月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
11月27日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

暮れの墓地大掃除のお知らせ

 毎年12月の第2日曜日は、暮れの墓地および境内地の大掃除となっております。お忙しい折とは存じますが、ご家族でご参加下をお願いいたします。当日は「温かい芋汁」を用意いたしておりますので、お掃除終了後お召し上がり下さい。

日   時
12月10日(日) 9時より (小雨決行)
お 願 い
できますならばお掃除の道具をご持参下さい。
駐車場が少ないのでご注意下さい。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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